当ブログは開設してから1年半が過ぎようとしています。
この間様々な情報を書いてきましたが、間違った箇所があるようでたまに読者様からご指摘を受けることがあります。
宇宙が大好きな皆さんに少しでも有益な情報を掲載してきたつもりですが、思い込みの部分もあるみたいでついつい間違ったことを書いてしまいます。
そんなときにご親切にもわざわざ間違った箇所をご指摘いただき、さらには詳しい解説まで送って頂きました。
このたびその内容をブログで公開して読者様のお役にたてればと考えています。
その中で読者様の承諾していただけたものだけを掲載させていただきました。
皆さんの参考になれば幸いです。
動画で分かりやすく解説:BBC 神秘の大宇宙 DVD全9巻
重さと質量の表記について
メッセージ本文:T様から頂いた記事内容に関するご指摘
重力と引力の判りやすいご説明、ありがとうございます!
実は、私秤メーカーをしており、職業的に気になってしまい、僭越ながら1点だけ、コメントさせて頂けるでしょうか?
ご説明の中で、赤道で体重計に乗ると北極よりも軽く表示される、といった内容がありましたが、”㎏”は質量なので、月でも地球でも50㎏は50㎏です。
また、秤は質量計ですので、北極でも赤道直下でも月でも、50㎏の人は50㎏と表示しなければなりません。
秤は使用する場所の重力加速度に合わせて調整しています(取引証明用の秤は使用地区が決められているのはその為です)。
一方で、重さ(㎏f)は質量が重力に引っ張られる力なので、重さは重力によって変化します。
体重計では無く、重さ(力)計であれば、計量場所によって変化します。
T様からの再度頂いた詳しい解説
秤は、ちょっと間違いやすいので、改めてご指摘させて頂くと、質量を計る「はかり」は、重力に左右される秤と、左右されない秤の二通りがあります。
①重力の影響を受けないはかり天秤や機械式はかり(但し、機械式でもばね式は除く)は、計量物を実際に分銅と比較して重量計測する為、計量物も分銅も同じく重力加速度の影響を受けるため、地球上どこでも、月の上でも1gは1g、100㎏は100㎏と表示します。
②重力の影響を受けるはかり(現在、こちらが主流)
但し、電気式や自動台秤など「ばね」や「ロードセル(これも基本的にはばねと同様で金属のゆがみ量を電気信号へ変換している)」といったセンサーを使ったはかりは、ばねにかかった力(㎏f)を質量(㎏)へ変換するセンサーであり、本来は力を計測しており、重力の影響をうけます。
(皆さんがお使いのTANITAの体重計など、重力の影響を受けるので、月へ持って行けば、地球の1/5程度の重量が表示されます。)
このため、電気式のはかりを新潟で製造する弊社では、北海道で使う秤は、北海道の重力加速度に補正し、沖縄へ出荷する秤は沖縄の重力加速度に補正してから出荷します。
(重力補正は、計量法でも定められており、以前は、日本を北海道から沖縄まで重力区分を11区に分けていましたが、現在の計量法では、重力補正をもっと細かくしています。)
私の時代(昭和40年代)は、小学校の理科教室で、「天秤」と「ばねばかり」を使いましたが、計量物を分銅と比較する天秤は上記「①」の秤で、計量物にも分銅にも同じ重力がかかる為、重力加速度の影響をうけません。
一方で、ばねばかりは「②」のはかりで、「計量物が重力に引っ張られる力」と「ばねが引っ張りあげる力(どらだけ伸びたか)」で重量表示しますので、当然、月では同じ物を計量しても地球に比べばねは伸びません=軽く表示される。(ばねにも重量があり若干は重力の影響を受けると思いますが、ばねが引っ張り上げる力に比べると大幅に小さいです)
この為、家で使っている体重計を北極へ持って行った場合は体重が家よりも重く表示し、赤道へ持って行けば家よりも軽く表示されます。
ただし、赤道で体重計を買えば、赤道の重力加速度で秤は調整されているので、日本のご自宅と同じ重量を表示します(体重計も質量計なので、どこでも100㎏は100㎏と表示します)。
一方で、機械式はかりは、東京で使っている秤を北極へ持って行っても同じ重量を表示します。
ご指摘を受けての対応
この指摘を受けて記事重力と引力って何が違うの?の内容を確認したところ、「北極で50kgの人は赤道上で48kgになる」といったような表現があり、この部分を削除しました。
この記事はネットや本から学んだことを自分なりにまとめたものですが、正直あまり深くは考えていませんでした。
私が勝手に考えてイメージだけで書いてしまったことは本当に軽率でした。
わざわざご指摘いただいたT様には本当に感謝いたします。