オリオン座大星雲
出典:Wikipedia

雑誌で天体写真を見ているととてもカラフルで美しい星雲を目にすることがありますが、自分も撮ってみたいと思いますよね。

私も子供の頃はいくつもの天体写真を眺めては、自分の目で見る星雲はどんなに綺麗に見えるだろうかと想像を膨らましていたものです。

そして天体望遠鏡を手に入れて実際に星雲を覗いて見ると・・・

冒頭のオリオン座大星雲を見ても形こそ判別できますが、白いモヤモヤにしか見えないのです。

何故写真で観るのと肉眼で観るのとでこんなに違うのか・・・

今回はどうして肉眼で観る星雲は色が付いていないのか、その理由を解説します。

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カメラで撮影する星雲は数秒間シャッターを開けっ放しにする必要がある

カメラ

星雲は暗い天体の部類に入るため、月を撮影するようなシャッタースピードでは撮影することは出来ません。

特に星雲の多くは天体望遠鏡で拡大して撮影する必要があるため余計に暗くなってしまいます。

暗くなってしまった星雲を撮影するにはそれだけ露出を長めにして撮影しないと写らないのです。

時間にして数秒間から数分間カメラのシャッターを開けっ放しにしておく必要があります。

するとカメラのフィルム(CCD)に肉眼では見ることができない光まで蓄えることが出来るのです。

そのような撮影方法で初めて色鮮やかな星雲の画像が撮影できるのです。

肉眼で観る星雲は脳が制限を掛けている

肉眼

では人間の肉眼はどのくらいの機能があるのでしょうか・・・

人間の目はカメラで言うシャッタースピードで60分の一秒とされており、60分の一秒の時間が過ぎればリセットされ脳で動画として処理されています。

つまり人間の目にはカメラのようなシャッター開けっ放しにした画像を見ることができないのです。

分かり易く言えば人間の目には星雲の色を溜めるだけの機能が備わってないということ。

また、人間の肉眼は暗闇の環境で色を識別する能力が低下し、特に赤色に対して著しく感度が低下します。

したがってオリオン座大星雲のような淡い赤色も認識できないので白くしか認識できないのです。

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特にがっかりするアンドロメダ銀河

私も過去に経験していますが、それまで幾つものアンドロメダ銀河の写真を観てはいつかは自分の目で見てみたいと思いふけっていたものです。

そのときのイメージがこちら
アンドロメダ銀河

その美しさは当時の私にとって何者にも変え難いくらいの衝撃でしたが、こうした思いを持った人は他にも多くいるはずです。

ところが初めて天体望遠鏡でアンドロメダ銀河を覗いたときに、自分が描いていたアンドロメダ銀河とはあまりにかけ離れた姿にがっかりしたことは今でもしっかり覚えています。

銀河中心に向けて渦巻状の腕が何本もある姿を想像していたにも関わらず、実際に観えたアンドロメダ銀河はこんな感じでした。
肉眼で観るアンドロメダ銀河

いかがですか?

「ナンジャコレ」ですよね。

もっとも観測場所が名古屋市ということで大気汚染や光害もあったことからこの様にしか観えないことも考えられます。

しかし、空気が澄んでいればうっすらと天の川が観えたくらいですからそんなに環境の悪い場所でも無いはずです。

ですからたとえ空気の澄んだ光害の無い場所で観たとしても、たいして綺麗に見えることは無いと考えられます。

初心者向け天体望遠鏡

夜空に見える光は可視光の方が少ない。

宇宙空間には様々な光が飛び交っており、人間の目に見える「可視光」や見ることができない「不可視光」があります。

夜空を見上げるとこうした光が飛び交っていることになりますが、実は可視光の方が少ないのです。

なので半数以上の光が人間の目には見えないのです。

星雲を撮影しても半数以上の色が見えなかったわけですから、画像を見て初めて確認できることも多いのだそうです。

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星雲の真の姿は肉眼では見ることができないからこそ魅力的

かに星雲

これまでネガティブは事ばかり書いてきましたが、白くしか見えない星雲も裏を返せば撮影でしか味わえないからこそ醍醐味があるのだというアマチュア天文家も多くいるといいます。

生の宇宙もそれなりに見ごたえのあるものですが、画像の世界で肉眼では味わえない世界にハマル人も多いのだとか。

ただし、星雲を撮影するときにはシャッターを開けっ放しにすることで地球の自転による日周運動を補足するため自動で星の動きを追尾する機能が必要になります。

そのため天体望遠鏡は赤道儀の架台とモータードライブのような自動追尾装置が必要になり、金額的にもお高くなります。

またカメラもスマホのカメラ機能で撮影するのはほぼ不可能と考えられるためそれなりカメラを購入する必要があります。

私が天体写真を楽しんでいた頃はまだフィルムによる撮影で、一眼レフを使用していました。

ですので、今のような撮影してその場で確認することが出来ないために、撮影が成功したかは現像してみないと分かりません。

今はデジカメというその場で確認できることや、失敗したら削除できる機能など、天体写真愛好家にとってはとても便利なツールとなっており、機能も昔と違って豊富になっていると聞いています。

個人的には若い頃から愛用していた「ニコン」が好きですが、天体写真は「キャノン」を愛用している天体写真愛好家が多いようで、私が今度購入するときにはこの二つのメーカーで検討したいと思っています。