プレアデス星団

秋が深まるとともに東の空から昇ってくるたくさんの星の中に一目で確認できる星団があります。

それがプレアデス星団(日本名:すばる)

この時期は空気も澄んで晴天に恵まれることも多いため観測するには絶好の機会ですよね。

そんなプレアデス星団は、散開星団の一つですが、星団としての星の動きってどうなっているのか気になりませんか?

球状星団のように中心にブラックホールが潜んでいるのか、それとも現在の姿は一時的なものなのか・・・

今回はプレアデス星団内の星がどのような動きでまとまっているのか調べてみたのでご紹介します。

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プレアデス星団は肉眼で間単に観られるが・・・

プレアデス星団は散開星団の代表格の星団で、おうし座の首に相当する位置にあり、おうし座の顔を形作られている「ヒアデス星団」もすぐ近くにあります。

プレアデス星団とヒアデス星団

プレアデス星団は地球上から見ると普通の視力であれば肉眼でも5~6個くらい見えるようですが、視力の良い人なら20個以上見える人もいるようです。

これは拡大するとさぞ綺麗に見えると思いますよね。

画像で見ると青い恒星の周りにぼんやりとガスのようなものが立ち込めているように見えますが、初心者向け天体望遠鏡で見るとただ多くの恒星が見えるだけで、ちょっとがっかりします。

雑誌の投稿画像を見ているとプレアデス星団の画像が多く見受けられますが、プレアデス星団は写真撮影して初めてその美しさが味わえるのでしょうね。

もっともこれはアンドロメダ銀河にも言えることで、人間の目の性質上仕方の無いことかもしれませんが・・・

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プレアデス星団は若い恒星の集まり

プレアデス星団は、太陽から440~448光年離れた近いところに位置していますが、約10光年の範囲に120個ほどの恒星が集まっています。

若い恒星の集まりで、青く見えるのも質量が大きくて活発な核融合が起こっているのが伺えます。

質量は太陽の10倍程度と見られ、そのためプレアデス星団内の恒星は短命で、寿命はせいぜい1億年といわれています。

というのも恒星は質量が大きいほど寿命が短くなるからです。

ちなみに球状星団は古い恒星が多く寿命も長いと考えられています。

つまり球状星団は高齢世代で散開星団は若年世代といったところでしょうか。

プレアデス星団

プレアデス星団は天の川銀河の円盤に含まれている

天の川銀河には2000億個もの構成が存在していますが、所々に恒星の集まった2種類の星団があります。

それがプレアデス星団をはじめとする「散開星団」とヘラクレス座のM13をはじめとする「球状星団」です。

銀河のバルジやハローに分布している「球状星団」に対して、散開星団は銀河の円盤内に分布しているといった特徴があります。

散開星団は銀河の円盤内に分布している画像

したがって散開星団は天の川周辺で多く見る事が出来ます。

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現在天の川銀河内で、散開星団は1000個ほど確認されており、推定では1万五千個もの散開星団が存在してるものと考えられ、プレアデス星団もその中の一つに過ぎないということです。

散開星団は銀河の円盤内にある分子雲により撹乱されて星団の各恒星は速度が少しずつまちまちになり、やがてバラバラになって動いていくものと考えられます。

つまり散開星団は銀河の円盤に存在する恒星の一つとして馴染んでいくものと考えられ、プレアデス星団も数億年後には消えてなくなるものと考えられています。

太陽もかつては散開星団に属していたと考えられており、銀河の分子雲により撹乱されて消滅し、現在の太陽が単独して存在しているものと考えられています。

恒星は銀河の中で単独では誕生しない

恒星の誕生は通常集団で起こるもので単独で誕生する恒星は無く、密度の濃い星間雲の中で一気に数十個~数百個という単位で生まれるとされています。

これが散開星団で、これらの恒星は核融合による恒星風で星間雲を吹き飛ばして重力は無くなり、誕生した恒星は星間雲との関わりが無くなる為に、各々の運動によって四方八方に飛び散っていきます。

散開星団の「散開」という言葉は、かつて編隊を組んでいた戦闘機が編隊を解いて広がっていくことを「散開」と呼ぶことから名づけられたといいます。

つまり散開星団は個々の恒星が集団から旅立つがのごとく広がっていくようなもので、いずれはバラバラになって銀河の一員として生涯を終えるという意味でしょう。

散開星団の恒星はまだ若いということなので早いうちから独り立ちさせてあげるという親(銀河)の愛情なのかもしれません。