夜空には数えきれないくらいの恒星が輝いていますが、よく見てみると恒星の集団みたいな姿をしたものがあります。
その代表的な存在なのが「プレアデス星団」
日本名で「昴(すばる)」と呼んでいますが、アリスの谷村新司が謳っている「昴」もこのプレアデス星団のことです。
天文初心者が観測し易い天体としてよく引きあいに出されるのがプレアデス星団ですが、空気が奇麗で暗い場所であれば簡単に観つけられます。
私も初心者の頃天体望遠鏡で観測したものですが、視力の良い人なら星の数まで数えられるくらいなんだそうです。
通常は何となく星が集まっているような感じに観えるプレアデス星団ですが、ここで改めて見つけ方を解説してみたいと思います。
これまでプレアデス星団を観たことが無いという方は、これを機会に夜空を見上げて探してみてください。
プレアデス星団の観測は条件が必要
性能の良い天体望遠鏡で観測すれば周囲にモヤっとしたガスが観測できるそうですが、私が初めてプレアデス星団を天体望遠鏡で観測した時には、ただ恒星がいくつか見えるくらいで、これと言って感動がありませんでした。
機材と夜空の条件が揃わないとなかなかガスを観測するのは難しそうです。
アンドロメダ銀河も同様で、最初観た時にはぼやっとした楕円形の雲のようにしか観えずがっかりしたのを覚えています。
決して写真のようには見えないのであまり期待しないほうが良いですよ。
なので、プレアデス星団を観測する前に、どのような特徴があるのか知っておいた方が面白いと思います。
プレアデス星団は星の卵
プレアデス星団は秋から冬にかけて見やすく、おうし座にある散開星団でメシエカタログではM45となっています。
視力が良ければ肉眼でも5~7個の星の集まりであることがわかり、双眼鏡や初心者向け天体望遠鏡で観測すると数十個の青白い恒星が集まっているように見えます。
太陽からの距離は440~448光年と比較的近いために明るく見えることから天文に興味のある方のみならず、一般の方に「昴」という呼び名で親しまれている星団です。
誕生してから一億年とまだ生まれたばかりの星団で「星の卵」とも言われています。
ただ、高温で核融合反応が活発なために寿命は短く。せいぜい数千万年の命だろうと言われています。
ちなみに私達がお世話になっている太陽はの寿命は百億年とも言われており、現在は約半分経過したところとされ、人間で言ったら壮年期に相当するそうです。
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プレアデス星団の見た目は満月の3.7倍
プレアデス星団の大きさは意外と大きくて、満月の3.7倍くらいの大きさに見えます。
よくわかる画像がこちら
私達のイメージとして満月の見た目はけっこう大きくて、それぞれの星雲や星団と比較にもならないと感じているかもしれませんが、月と比較すると意外と大きな天体がいくつもあるんですよ。
たとえば誰もが一度は耳にする「アンドロメダ銀河」の見た目は、満月の5倍以上にもなるんですよ。
ただし、これは周辺のガスも加えてのことなので実際の見た目はそれほど大きなものではありません。
プレアデス星団をオリオン座から探す
プレアデス星団の探し方で最もオーソドックスなのはオリオン座のベルトに当たる「三つ星」の延長上にあることで探す方法があります。
下の画像は2017年12月20日午後8:00頃の星空です。
この時期になるとプレアデス星団はほぼ真上に位置します。
南東の空にはオリオン座が見えますが、オリオン座の目印ともいえる「三ツ星」をその方向に延長するとプレアデス星団が見つかります。
似たような探し方で北極星の位置を確認する方法がありますが、あれとは比べ物にならないくらい簡単です。
それくらいプレアデス星団が明るく見やすい位置にあるということですね。
その手前にV字型をした星団が目に入ると思いますが、これは「ヒアデス星団」と言っておうし座の顔に当たります。
その中でもひときわ赤く光った明るい星がありますが、これは「アルデバラン」といっておうし座の目に当たる星です。
何とも不気味な感じがしますよ。
プレアデス星団のガスは恒星の光が反射したもの
プレアデス星団の画像をよく目にしますが周辺にぼんやりとした雲のようなものが写っていますよね。
これはその周辺に漂っているチリやガスが恒星の輝きを反射して光っているんですよ。
残念ながらチリやガスが光った姿は通常の双眼鏡や天体望遠鏡ではよほど好条件で無いと見ることはできないそうですが、この中で星が誕生していると考えれば違った見方もできるのではないでしょうか。