時々夜空を賑わす彗星が最近になって急に注目されています。
その彗星の名は「ラブジョイ彗星」
2014年8月にオーストラリアの天文学者のテリー・ラブジョイ氏が発見したそうですが、大きさや明るさよりも「エメラルドグリーン」に輝く姿が天文ファンを魅了しているようですね。
太陽風の影響を受けて緑色に輝く姿が印象的な彗星ですが、私個人的には珍しい彗星だなあと感じます。
というのは「エメラルドグリーン」という色です。通常彗星の尾の色ってピンクや赤っぽい色が多いと思うのですが私だけでしょうか?
そのエメラルドグリーンに輝く「ラブジョイ彗星」の動画を見つけたのでご紹介します。
これを見ると本当に綺麗ですよね。
意外にも明るくなったウェスト彗星
彗星といえば思い出すのが今から約40年前に朝焼けとともに美しい姿を見せてくれた「ウェスト彗星」です。
当時高校生だった私は朝暗いうちに起きて近くの丘まで自転車に乗って「ウェスト彗星」を見に行きました。
その時に初めて彗星というものを見たんですが、その幻想的な姿に感動したのを今でも覚えています。
もちろん写真も取りましたし、今でも大切に保管しています。ただ、白黒なのが残念ですが(^^ゞ
翌日の新聞にカラー画像が載っていましたが、肉眼で見た「ウェスト彗星」と比べてちょっとショボかったのを覚えています。
それくらい実際に見る彗星というのは美しいものなのです。
今回の「ラブジョイ彗星」がどの程度明るくなるのか判りませんが、天文の専門家の間では1月中旬には4.1等級で安定するのではないかと言われています。
4.1等級と言えばオリオン座大星雲が4等級ですからけっこう肉眼でも見えるのではないでしょうか。
双眼鏡で見ればはっきりと見えるはずです。お持ちのかたは是非観ることをお勧めします。
彗星の尾が光って見える理由
そもそも彗星は「汚れた雪玉」と言われているように岩石と氷からできていると言われていて、尾はそれが溶けだしたものだということは判っています。
そして太陽に近づくと高熱により氷が解けてガスになり太陽風によって吹き飛ばされて尾のように見えるのです。
これは彗星を観測していると判りますが、尾は必ず太陽の反対方向に流れています。
なので彗星の進行方向に対して反対側に尾が流れることは太陽に近づいている時だけで、太陽から遠ざかる時には進行方向に尾が流れます。
また尾に色が付くのは蒸発した水素や二酸化炭素などの期待がプラズマ状態になった時に太陽風で光るからとされています。
北極近くで見られるオーロラと同じ現象なんだそうです。
彗星の明るさは予想がつかない
彗星は、ガスがどれだけ噴き出るかで明るさが決まるので事前に予想することは困難なのです。
発見時に小さいから明るくなることはないだろうと予想していたものが大彗星になってみたり、今世紀最大の大彗星と注目されていたのに太陽に吸い込まれて消滅したりと、こればかりは結果を見てみないと判らないのです。
2013年に注目された「アイソン彗星」がいい例で、当初は今世紀最大の大彗星になるのではと期待されていました。
「水星と彗星ってどう違うのか知っていますか?」https://utyuu-tanosimu.net/entry22.htmlの(消滅してしまう彗星もある)でも書いています。
私も1年ほど前からアイソン彗星の情報を耳にして写真に収めようと待ち構えていたんですが、何と太陽に近づいた時に蒸発してしまったそうで、結局何も見れずに終わってしまいました。
彗星が太陽に近づいて消滅するなんて想像もしていませんでしたし、初めて聞いたことなので大きなショックを受けてしまいました。
そうかと思うと、「ウェスト彗星」なんかは当初さほど期待されていなかったのに実際に接近してみたら大彗星に変貌して現れたんですから。
それくらい彗星は謎に満ちた天体なんですよね。
まあそれも魅力の一つなんですけどね。
ラブジョイ彗星の位置
「ラブジョイ彗星」は位置は1月10日現在、オリオン座のリゲルの西側に位置しています。
その後はしだいに「すばる」の西側を通過するルートをたどっていくとされています。
ちなみに、アマチュア天文家の観測によると、ラブジョイ彗星は現在満月の10個分くらいの長さの尾がかすかに見えていて、測定値は5~6度くらいだそうです。
けっこうでかいですね。
ラブジョイ彗星はポータブル天体望遠鏡で発見した!?
ラブジョイ氏はこの彗星を口径20cmの反射望遠鏡で見つけたそうです。
驚きなのはこの20cmという小さな口径の反射望遠鏡で見つけたということです。
このようなポータブル天体望遠鏡でも彗星が発見できるんですね。
発見当初は15等級と凄く暗い彗星だったそうで、これを発見するとなるとおそらく写真を数枚とって比較しながら発見したのではないでしょうか。
世界では「コメットハンター」といって新彗星の発見を生きがいとしている人って結構いるみたいですよ。
もっとも気の遠くなるような作業が必要でしょうけど・・・
よほど好きでないとできないでしょうね。