天体望遠鏡と普通の望遠鏡の区別がつかないと質問があったので解説してみたいと思います。

そもそも天体望遠鏡とは宇宙空間というとても暗い場所を観測するための機材で、対物レンズの口径を大きくすることでより暗い天体を観測することが目的の機材です。

女の子(疑問)

口径が大きいだけで天体望遠鏡といえるの?

一方、普通の望遠鏡は、基本的に人物や景色を拡大して見ることですから、もともと明るく見える物が対象物なので口径を大きくして光を多く取り入れる必要はありません。

ただし口径を大きくすることで、拡大した時により詳細に見えるので、天体望遠鏡だけでなく、普通の望遠鏡でも大きい方がより美しく見えることになります。

テレビを見ていると、タレントを撮影しているカメラがカメラマンの肩に担がれているところが映ったりしていますね。

あれを見ると、家庭用の小さなカメラで綺麗に撮れるのに、なんであんな大きなカメラを使うの?って思いませんか?

これにはレンズを大きくしないと綺麗に撮れないという理由があるからです。

特に最近ではテレビ画面の解像度が向上したので、なおさら撮影側がより高解像度のカメラを使用することが要求されているようです。

ちなみに、望遠鏡には、地上望遠鏡、双眼鏡、フィールドスコープなどがあります。

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天体望遠鏡は上下左右がひっくり返る

天体望遠鏡で普通の景色を見ると上下左右がひっくり返って見えますね。それに比べて普通の望遠鏡は上下左右がひっくり返って見えることはありません。

これはプリズムやレンズを追加してあるので画像がひっくり返らないように処理しているのです。

もし普通の望遠鏡で上下左右がひっくり返って見えてしまったら凄い違和感があって、慣れないと気持ち悪いものがあります。

ところが天体望遠鏡で惑星や星雲を見た時に上下左右がひっくり返っていても対して違和感が無いのです。

納得した男の子

言われてみれば星を観て上下逆でも違和感がないよね。

たとえば、火星大接近の時に新聞報道で火星の北極が下になっていたのに違和感を感じませんよね。

しかし、富士山の画像が上下ひっくり返っていたら全ての人は違和感どころか「なんだこれ?」って感じますよね。

これと同じで天体望遠鏡ではあえて正立像に見せる必要が無いのです。

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基本的に倍率が全然違う

天体望遠鏡は性能の限界まで上げる必要があるので家庭用の天体望遠鏡なら100~200倍まで上げられます。

ところが普通の望遠鏡となるとそこまで上げると像がぶれやすくなりとても扱い辛くなってしまいます。

なので普通の望遠鏡はせいぜい30~50倍程度です。

女の子(疑問)

そういえば天体望遠鏡って倍率が大きいよね

関連リンク:2万円位の天体望遠鏡でどこまで見れるの?
      天体望遠鏡メーカー一覧

架台が全然違う

天体望遠鏡には通常、経緯台式架台と赤道儀式架台に分かれていて、高価な天体望遠鏡ほど赤道儀式架台が使われています。

普通の望遠鏡には架台が付いているものもありますが、天体望遠鏡のがっちりとした架台に比べて、かなりチャチな架台です。

これはやはり目的が違うからです。

天体望遠鏡は倍率を高くするので、画像がぶれないようにしなければならないのと、撮影するにしても暗い対象はシャッタースピードを長くするためにブレることは許されないのです。

しかし普通の望遠鏡は倍率が低いうえに写真を撮影する対象も明るく、シャッタースピードが短くて済むので多少ぶれても撮影に影響し難いのです。

女の子(疑問)

確かに普通の望遠鏡でしっかりとした架台って見たことが無いわ

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天体望遠鏡でも正立天頂プリスムを追加すれば正立像が見える

天体望遠鏡でも正立天頂プリスム(ミラー)を追加することで正立像に見せることは可能です。

しかし通常はこのような“余分なもの”はあえてつけないようにしているのです。
これは画像の質が落ちてしまいので付けない方が綺麗な画像になるからです。

天体観測というのはより高解像度が要求されます。

ところが、正立天頂プリスム(ミラー)は光を2度反射させて正立像にすることで、そのたびに少しだけですが光が弱くなってしまうのです。

画像が劣化するプリズムやレンズは付けない方が良いのです。

天文台の天体望遠鏡では正立天頂プリスム(ミラー)を使うこともある

天文台にあるような、いわゆるプロ用の天体望遠鏡がありますが、ここではどうなっているのでしょうか?

天体の解像度が下がってしまうのならプロ用の天体望遠鏡には正立天頂プリスム(ミラー)は使用されていないと思いますよね。

ところがそうでもないのです。

天文台にあるような大きな天体望遠鏡には正立天頂プリスムのような光路の切り替え装置が使われることもあるそうです。それは人が見安くするために設置してあるんだそうです。

とはいえ、基本的には観測機器が覗くわけですから、その時には出来るだけ詳細に見えるようにするために、光路の切り替え装置を通すことは無いようです。

天体を撮影して画像が逆になっても、パソコンで画像を処理をすれば正立像になるからです。

以上簡単に解説させていただきましたが、同じ望遠鏡でも使用目的が違うだけでこんなに造りが変わってくるんですね。

初心者向け天体望遠鏡