太陽系惑星の並び

太陽系で生命が住むことが可能な領域のことを「ハビタブルゾーン」と呼んでいます。

私たちが住んでいる地球もこのハビタブルゾーンの中を公転しているわけですが、その条件について様々な意見があるようで・・・

というのも中心からの距離だけでは生命が生存できる領域とは判断できないと考えられるからです。

確かに地球には数えきれないくらい多くの生物が生存していますが、これも何億年もの長期にわたって絶滅危機を乗り越えて生き抜いてきたからこそ今があるわけです。

それには太陽からの距離だけでは計れないくらいにまで進化してきた人類のような知的生命体を説明できないといいます。

磁場によるバリア機能が宇宙線から生命体を守る
月の存在による自転軸の安定による環境の安定
木星による小天体の衝突回避による環境激変の減少

現在の地球上の生命体は少なくともこれだけの環境により守られ進化できたと考えられています。

では今のところ生命の存在が確認されていない火星がハビタブルゾーンにいたとしたら知的生命体まで進化できたでしょうか?

かつて火星人の存在が囁かれていた惑星として知られただけに気になります。

今回は火星の環境とハビタブルゾーンについて注目してみます。

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太陽系のハビタブルゾーンの条件

太陽系のハビタブルゾーン

太陽系のハビタブルゾーンは太陽から距離にして0.97~1.39天文単位(1天文単位は太陽~地球までの距離)

もちろん地球はハビタブルゾーンに入っているのでここまで様々な生命が進化できたわけです。

ちなみに地球の内側を公転する金星は太陽から0.7233天文単位、外側を公転している火星は1.5237天文単位と、双方ともハビタブルゾーンを外れているので生命が住み着くのには不適合の位置にあります。

金星は太陽に近すぎて、火星は太陽から遠すぎるということですね。

銀河系にもハビタブルゾーンがある

銀河系のハビタブルゾーン

銀河系は約2000億個の恒星が集まって構成されていると考えられていますが、それらの恒星も複数の惑星を引連れていると考えるのが自然でしょう。

ということは銀河系には数兆個の惑星が存在しているわけで、その中にハビタブルゾーンの位置を公転している多くの惑星も間違いなく存在するはずです。

しかしここで考えておかなければならないのが銀河系にもハビタブルゾーンがあるということ。

簡単にいえば生命が進化するには危険すぎる領域もあるということです。

というのも銀河系の中心には超大質量のブラックホールがあり、中心付近には多くの恒星が集まっているためにブラックホールの重力をはじめ、様々な影響を受けやすいからです。

例えば彗星や小惑星の衝突の頻度も上がるでしょうし、近くの恒星が超新星爆発でも起こせば壊滅的な影響も受けると考えられます。

また超新星爆発時に発生するガンマ線バーストは1000光年離れた場所にも一瞬で生命が死んでしまうほどの放射線を浴びせるといいます。

かつて地球の生命がほぼ絶滅したとされる4億5千万年前の「オルドビスの大絶滅」もガンマ線バーストによるものと考えている科学者もいます。

惑星を形成するには材料が豊富な銀河系の中心付近が適していますが、せっかく進化してきた生物が他の天体と衝突したり超新星爆発の影響を受けて死滅してはまた最初からやり直すことになってしまいます。

つまり地球のような知的生命体まで進化するにはある程度安全でなければいけないのです。

それが銀河系のハビタブルゾーンです。

現在太陽系は銀河系の中心から2万5千光年離れたハビタブルゾーンに位置しています。

たとえ恒星から適した位置に惑星があったとしても銀河系のハビタブルゾーンから外れていれば地球の生命体のように数億年にわたって生き延びるということは難しいといいます。

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大質量の恒星系の惑星には生命の進化は期待できない。

たとえハビタブルゾーンに位置していても生命の進化は期待できない恒星系があります。

それは大質量の恒星系です。

というのも恒星は質量が大きいほど寿命が短いためにせっかく生まれた生命も恒星と死を共にしなければならないからです。

太陽は寿命が100億年とされていますが、太陽の100倍もの質量になると寿命は200~300万年、太陽の10倍の質量でも1億年、太陽の2倍の質量で25億年です。

一方太陽よりも質量の小さい恒星となると、太陽の半分だと2千億年、太陽の0.08%の赤色矮星ともなると数兆年もの長い寿命になります。

今の地球が出来てから45億年前後と考えれば、太陽以下の質量の恒星の元でないと人類のように進化するのは難しいといえますよね。

まとめると、銀河系内でも中心部から程良い距離を保ち、かつ恒星が密集していない領域が知的生命体にまで進化できるのに危険性が少ないと言えるでしょう。

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火星が太陽系のハビタブルゾーンに位置していても生命の進化は難しい

仮に火星が今の地球の公転軌道上に位置していたとして考えてみます。

太陽からの距離だけを考えれば生命が住み着くのに適していると考えるでしょう。

しかし、今の地球のように多種多様な生命体が住み着くことが可能でしょうか?

これは非常に困難といえます。

理由は火星の引力の弱さに加えて磁場が無いことと月のような衛星が無いことです。

火星には月のような衛星が無いので自転軸が安定しない

当ブログ記事もしも月が無かったら地球はどうなるの?でも書いていますが、地球の自転軸は月の存在により安定していると考えられており、もし月が無ければ人類も存在しなかっただろうと考えられていいます。

火星には「フォボス」「ダイモス」という2つの小さな衛星を引連れていますが、火星の自転軸を安定させるほどの引力はないとされています。

現在の火星は30度も自転軸がぶれていることで、たとえ大気や水が地球のように存在したとしても安定した環境は期待できないと考えられます。

これでは他の条件が整ったとしても知的生命体まで進化するのは不可能でしょう。

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火星には磁場がないので水や大気を保てない

最近の火星探査機による観測で火星に過去、海があったことが確実視されていますが、現在のように乾燥した死の世界になってしまったのは火星に磁場がないことと考えられています。

磁場は太陽から放出される「太陽風」と呼ばれる放射線から大気や水を守っていると考えられており、現在の火星が薄い大気と水分が蒸発して乾燥した環境になってしまったのも磁場が消滅したのが原因と考えられています。

では何故火星の磁場は消滅してしまったのでしょうか?

それは火星の質量が小さいことに起因しています。

惑星の磁場は中心部が対流していることで発生しすると考えられていますが、火星は地球の半分程度の大きさしかないため内部が冷えて対流が滞ってしまったために磁場が消滅してしまったと考えられています。

将来火星がハビタブルゾーンに属すかもしれない?

火星はハビタブルゾーンから外れ、太陽から遠すぎる位置を公転しています。

そのため太陽から受ける熱エネルギーが少ないために生命が住み着くには不適合ということになります。

ではもし火星が太陽に近づいてハビタブルゾーンに入ったとしたら生命は今の地球のように進化できたでしょうか?

その可能性が数億年後に訪れるのです。

太陽は現在の核融合の燃料が尽きて終了近くになると膨張してきて火星もハビタブルゾーンに入る可能性もあります。

といっても太陽の終末期に入っているために生命が進化できるまでの期間をハビタブルゾーンに入っていられるのかもわかりません。

いずれにしても火星には知的生命体にまで進化できる要素は少ないと言えるのではないでしょうか。

人工的に火星環境を変えれば可能?

現在の火星は気圧が地球の1%、気温もマイナス20~40℃と非常に低温な環境で生命が居住するには不適合です。

そんな劣悪な環境でも人工的に地球環境に近づけようというのが火星テラフォーミング計画です。

火星に人類が手を加えて移住できるようにしようという計画です。

太陽が寿命を迎えれば地球もいずれは住めなくなりますから、一時的にも人類が生き延びることができるのなら危機管理上ぜひ進めておきたいのがこの計画です。

もしテラフォーミング計画が成功して人類が移住できることになれば、正に“火星人”の出来上がりですね(*^_^*)