隕石

15年ほど前に公開されたブルースウィルス主演の映画「アルマゲドン」を覚えていますか?

ある日天文学者が小惑星の観測をしていて、テキサス州なみの巨大な小惑星が地球に衝突することを発見し、それを回避すべく石油採掘業者が巨大小惑星に立ち向かうというストーリーでしたね。

実際に映画を観てみましたが、とんでもない巨大小惑星に人間が行って穴を掘り、核爆弾を埋め込んで爆発させ、真っ二つになった小惑星が地球を避けていくシーンには「そんなうまくいくの?」って思っちゃいました。

まあ映画の中での話ですからそれもアリなんでしょうけど、現実には絶対にあり得ないですよね。

しかし先ごろ2022年に地球に1100万キロまで接近する小惑星に人工物を打ちこんで軌道を変える計画が発表されたんですよ!

もっとも、この小惑星は地球に衝突する心配は無く、軌道を変える実験に適しているとのことで判断されたそうです。

また、無人のロケットを小惑星に衝突させるそうなので映画「アルマゲドン」のように犠牲者(ブルースウィルス演じるハリー)が出ることはありませんが・・・

とはいえ、今回の実験で将来地球に衝突する小惑星が現れたときの一つの対処法として確立させたいのでしょうね。

映画みたいに簡単には行かないでしょうけど・・・

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地球に接近する小惑星の特徴

この衝突実験に利用される小惑星は名前は「ディディモス」

珍しく小さい衛星を持っていて、中心の小惑星は直径が800メートル、その周りを周回している小さい衛星は直径が150メートルとのこと。

その衛星の名は「ディモーフォス」

実際の姿がこちら

小惑星ディディモス
出典:NASA

小さい方の衛星は大きい方の小惑星の周りを12時間で一周しているそうです。現在アメリカの研究所で小さい方の小惑星に衝突させる衛星を開発しているそうで、時速22530kmで衝突させるそうです。

科学者たちはこれで小さい方の衛星の軌道が変化することを期待しているそうです。軌道の変化をどれだけ期待しているのかと言うと何と数ミリメートルとのこと。

広い宇宙で数ミリメートルの軌道の変化って何か意味があるのでしょうか?不思議です。

 

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ESAとNASAが協力

ESA(欧州宇宙機関)とNASA(アメリカ航空宇宙局)が協力するとのことですが、まずはESAが小惑星の調査を行ってからNASAが人工物(ミサイル?)を打ちこむんだそうです。

そのイメージ画像がこちら

NASAが計画しているDART
NASAが計画している小惑星衝突実験計画DART
出典:NASA

どのような人工物なのかは不明ですが、アメリカですから核ミサイルを撃ち込みたいのではないでしょうか。

しかし、地上から核ミサイルを宇宙に向けて発射するとなると、もし失敗して地上に落ちてきたらえらいことになりますからできないでしょうね。

地球に衝突する危険が高まっているのならいざ知らず、その心配が無いのならリスクが高すぎます。

映画「アルマゲドン」では小惑星の地中深くに核爆弾をセットして爆発させましたが、今回の実験は小惑星の軌道を変えることが目的みたいですから核は必要ないかもしれません。

直径1Kmの巨大小惑星が人工衛星よりも接近!でも書いてありますが、小惑星は火星の軌道と木星の軌道の間にかなりの数が散らばっているとされていて、何らかの衝撃でいつ地球に向けて飛んでくるか判らない状態にあります。

ちなみに衝突する頻度は

直径が1km以上の小惑星で、10万~100万年に一度
直径が10km以上の小惑星で、5000万年~1億年に一度

人類の歴史からすればまず衝突するなんてことは考えられないといえますよね。

しかし万が一ということもありますから、そういった事態に備えることも必要です。

そういう意味では今回の実験が成功すれば、とりあえずは小惑星が人類を滅ぼす脅威になることは避けられるのかもしれません。

関連リンク:直径1Kmの巨大小惑星が人工衛星よりも接近!