火星

NASAによると火星で調査を行っている無人探査機(キュリオシティ)によると、メタンが時折急激に発生していることが判明。

これまで収集した20カ月分の調査結果を分析したところ、火星の大気中に含まれるメタンの量が予想に反して少なかったことを発見したそうです。

当初メタンの量は隕石などによって運ばれてきた有機物がの分解過程で発生していることを想定していたそうですが、注目されているのが、1日で10倍もの量のメタンが発生していることが確認されているとのこと。

メタンの滞留時間は約300年となっているとのことなのでこの結果は驚くべきものなんだそうです。

地球ではメタンの発生源といえば動物の糞尿が微生物と反応して発生するのを想像しますが、他には湿地帯での微生物による発生があり、これが4割程度を占めているとされています。

近年の地球温暖化問題でもこのメタンガスの影響が叫ばれていて、自然界からの地球温暖化ガスとしてどうやってこの事実を受け止めるのか当惑しているようです。

まあ地球温暖化問題は置いといて、火星でのメタンの急激な発生事実をどう受け止めたらいいのでしょうか。

スポンサーリンク

目次表示位置

メタンの供給源は複数の説がある

火星でのメタンがどのような形で発生しているのかは様々な説があります。

1.火山活動による発生
2.隕石や彗星による供給
3.岩石と水が反応して発生

これまでの観測によると火星では火山活動はないとされているそうなので、「1.火山活動による発生」は無いと考えていいでしょう。

また宇宙空間からの供給も非常に微量なことから「2.隕石や彗星による供給」も排除できます。

残るは「3.岩石と水が反応して発生」が有力ということになります。

いずれにしてもメタンを生成するには「メタン菌」と呼ばれる微生物の存在が不可欠ですから、火星には微生物が存在していると考える方が自然です。

ただし、これが過去に生成されていたメタンがどこかに蓄積され何らかの要因で放出されたということも予想できるので、メタン菌が現在生きているとは断定できません。

 

スポンサーリンク

 

メタン菌は水素と二酸化炭素が必要

メタン

メタン菌が存在する(存在していた)可能性が高くなって疑問に思うのはメタン菌の栄養源ですよね。

メタン菌でも食事をしないと生きていけませんから、どこかで栄養補給しなければなりません。

それは「濃い水素」と「濃い二酸化炭素」です。

二酸化炭素は地球誕生当初からあったことが確認されていますが、水素は確認されていませんでした。

そこで注目されたのが一部の岩石でした。

この岩石と水が反応することで水素が発生する性質があることが判ったそうです。

海底でこの岩石と水が反応し、メタン菌によってメタンが発生したのではないか?となったそうです。

これでメタン菌が生命維持出来る環境であったことが判ったわけですが、そのメタン菌はどうやって誕生したのか?ということですよね。

残念ながらメタン菌がどうやって誕生したかは判ってないそうです。

 

スポンサーリンク

 

火星に火山噴火の痕跡

今回はメタンの急増が注目されていますが、実は火星には過去に酸素が存在していたことが判っています。

無人探査機(キュリオシティ)による古代の岩石の分析によると、比較的豊富な酸素が存在した環境で形成されたことが判っているとのこと。

キュリオシティ
出典:NASA
この分析結果で火星には酸素が存在していたことは判っているわけですが、現在大気の95%が二酸化炭素でできているとされているように、酸素がほとんど消えてしまっています。

これは最近の研究によると37億年前に何らかの大変動が起こったのではないかと指摘されているそうです。

それが火山活動が活発だった時期と一致していることから火星の酸素は火山活動によりどこかに消えてしまったのではないかとされているそうです。

またキュリオシティにより撮影された様々な画像を分析したところ、火山が活動していた痕跡が見つかっていて、かつて火星が活発に活動していたとされています。

時期をずらして撮影された画像にも何かが流れたように写っているのが話題になりましたね。

あの画像を見る限りでは確かに火星で何らかの変化が起こっていることがうかがえます。

キュリオシティは生命に欠かせない元素を探すことで火星に生命が発生していた(している)ことを明らかにすることが主なミッションだそうですよ。

これまで火星には生命は存在しないと言われてきましたが、今回の発表を受けて生命の存在がクローズアップされてくるのではないでしょうか。

もし火星に生命の存在が明らかになれば火星への移住計画もそう遠くない未来に実現するかもしれませんね。

「宇宙旅行が20年後に実現?」を見てみる

夢が広がります♪