ノーベル物理学賞の受賞で話題になっている梶田隆章さんが発見したとする「ニュートリノ振動の発見」ですが、これまで質量が小さすぎて観測できなかったのを、初めて振動として読みとることで証明した功績を評価されましたね。

聞くところによると今回のニュートリノ振動の発見でこれまで質量を0として宇宙の仕組みを考えていたものが、質量があったことで多くの宇宙理論を修正しなければならなくなったそうです。

凄いことなんですね

またニュートリノは光の速さで何でも通り抜けてしまう物質なんだそうです。

人や地球も通り抜け、上から下からとどこからでもやってきて通り抜けてしまうそうです。

人や地球を通り抜けるなんて常識的には考えられませんが本当なんだそうです。

いずれにしてもノーベル賞を受賞したんですから凄いことなのは分かりますが、そもそもニュートリノっていったい何なのでしょうか?

ちなみに私はニュートリノって言葉は知っていましたが、詳しいことは知りませんでした。

ということでニュートリノについて調べてみたので簡単にまとめてみますね。

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ニュートリノは宇宙で最も小さな粒子

私たちの身の回りの物は全て分子で出来ていることは中学校?の理科で習いましたよね。

水や土、光、空気など全ての物質は原子から成り立っています。

原子は直径が1億分の1cmといったとても小さく、中心には原子核があり陽子と中性子から出来ています。

さらに陽子と中性子はそれ以上細かく見ていくと、それ以上分けられない粒子に行きつきます。

それが素粒子で、ニュートリノは素粒子の一つです。

分かりやすく陽子とニュートリノを物に例えて比較してみると、
陽子地球ニュートリノ米粒なんだそうです。

とんでもない差ですよね。

ニュートリノは138億年前、ビッグバンにより宇宙が誕生したときに生まれたとされています。

今でも超新星爆発恒星の核融合などで大量に生まれ、宇宙空間を飛び回っています。

しかも宇宙空間のどこでも存在し、その密度は1立法cmに300個ものニュートリノが存在ししているとされています。

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1秒間に100兆個私たちの体を通り抜けている

また電気的に中性なので殆どの物質と反応することは無く、その小ささから全ての物を通り抜けてしまうといった性質を持っています。

その数なんと1秒間に100兆個ものニュートリノが人の体を通過しているのです。

その何でも通り抜けてしまう性質ゆえにニュートリノの観測は極めて困難で、1956年になって初めて科学者によってその存在が確認できたそうです。

そして現在、ニュートリノの観測を担っているのが岐阜県の飛騨の神岡鉱山にある「スーパーカミオカンデ」です。

カミオカンデの水に反応するニュートリノ

よく報道でカミオカンデに水が満たされ、水中の壁に水銀灯みたいな観測機器がびっしりと敷き詰められている姿が見られますね。

水といっても水道水ではありませんよ!(^^)!

不純物を殆ど取り除いた「超純水」が3000tも満たされているんです。

そして壁に並んでいる観測機器は「光電子増倍管」といって光センサーとしての役目を果たします。

その数は何と1000個だそうです。

これはニュートリノがカミオカンデ内を通過するときに、たまたま水の原子核と衝突したときに発せられる光を感知する機器です。

ちなみに感知数は24時間中約10回くらいだそうです。

この「光電子増倍管」が凄いところは物凄い感度が良いんだそうです。

その感度は地上38万キロもある月から家庭用の懐中電灯で一瞬光らせた物を感知できるくらいの性能なんだそうです。

素粒子のニュートリノを感知しなければいけませんからこれくらいの感度は必要なんでしょうね。

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ニュートリノ振動とは種類の変化

今回のノーベル賞を受賞した梶田隆章さんによる「ニュートリノ振動の発見」ですが、感覚的にはニュートリノが観測されると何かが振動しているところを確認したかのように受け取ってしまいがちですが、ちょっと違います。

ニュートリノには

「電子ニュートリノ」
「ミューニュートリノ」
「タウニュートリノ」

の3種類があります。

これら3種類のニュートリノが別のニュートリノに変化したり戻ったりすることを「ニュートリノ振動」と呼んでいます。

そしてニュートリノはそれぞれ違った波で出来ているとされ、それぞれ違う波長が重なり合ったときに“うねり”が生まれます。

つまりこのうねりが生まれるということは質量があると結論付けたのが今回のノーベル賞を受賞した部分なんだそうです。

ただ今回の発見で、私たちの生活に変化が起こることは無く、宇宙の成り立ちの解明のワンステップに過ぎないとのこと。

梶田隆章さんには、またノーベル賞を受賞できるよう研究に頑張ってほしいものですね。

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